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感想:2020年マンション大崩壊

   

2020年マンション大崩壊 (文春新書)著者:牧野知弘

★★★☆☆

地方だけでなく、首都圏でも空家率がどんどん上昇していることは知っていたし、特に際立った新しい知見が得られたわけではなかった。首都圏の人口増加も2020年頃がピークで減少に転じるらしいことや、今の住宅購入の流れは、郊外に一戸建てを持って通勤より、都市圏のマンションに住んで共働きがデータとしても主流になっているようですね。

将来、戸建てやマンション問わず家の購入を考えているなら知っていて損はしない知識だと思うので読んだ方がいいと思います。

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家を買う=資産を手に入れるという先入観を持ったまま育ってきたけど、最近は家=負債としか思えなくなってきた。本書でも負債とまでは言わないが、資産価値について考えさせられることが多く書かれている。建物は経年劣化(減価償却)があるが、土地にはないってのが一番のポイントだと思う。その上で、建物の「金銭価値」と「効用価値」に分けて考える。金銭価値が減価償却していく建物自体の持っている価値・価格であって、効用価値が、実際に住居として自分が住むことで得られる価値。大半の人は、後者に重きを置いて住宅を購入するはず。で、その効用価値は本当にそのマンションを買うことでしか得られないのか?というのが大きな命題だと思う。

単純なお金の話だけでいくと、建物の老朽化による資産価値の低下もしくは負債化のリスクと、需要を上回るペースで新築物件がぼんぼん建っている中で、価格競争の原理を考えると、適当に賃貸を乗り回したほうがお得なのではないかと最近思う。実際に概算していないのでなんともわからないが。

不動産は腐っても駅前を買え

というのが著者の経験則みたいなものらしい。僕もそう思うのだが、車の自動運転が完全に実施された社会では、駅のターミナルとしての利便性は今と同じように維持されているのかと思うと少し疑問が残る。特に不動産を買うと、10年20年ではなく、30年や50年というスパンになるので、また社会構造も変わり、駅近神話も消えている可能性もあるのではないだろうか。

不動産のプロの間でよく話題になるのは、マンションは築五年から一〇年の中古マンションを購入するのが一番お得ということです。

らしいですよ。新築はなんか色々と経費が乗っているみたい。宣伝とか?2,3割マシぐらいと書いていたからには驚き。少し経った新築同然の中古がいいらしい。まあどんな理由で中古で出回っているかで地雷かどうかが決まりそうだが。

 - 読書

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