るむろん

Android/生活/旅行/英語/書評…適当に書いていきます

感想:エンド・オブ・ライフ 

      2024/10/25

著者:佐々 涼子

★★★★☆

Amazonの本のランキングTOP100の中で目についたから。読み終わった後で色々調べていると、著者は56歳で脳腫瘍で今年お亡くなりになっていた。多分それでランキング入りしてたんだな、と。なんかテーマが終末期医療の在宅看護で、自分の親の難病介護生活も交えているしで、なんともいえない悲しさが広がっている。

ノンフィクションってジャンルは初めて読んだけど、フィクション小説みたいに読みやすい構成なのね。ルポとは違うのはそういうことか、って感じ。

別れはいずれ来るけど、やっぱり悲しいよね。どうしてもこの手の話は感情移入してしまう。電車や会社でしか本を読まないから、泣くに泣けず、涙目って感じだった。

印象に残っているのは、死ぬってわかるとやっぱりヒトって受け入れれない人が多いらしい。自分も、もう人生消化試合感があって、まあもう別に死んでもいいかなと、”元気な今”は思っているんだけど、同じように、元気なうちはそう思えても、いざ”癌で余命宣言される”と、気持ちがついていけなくなって否定してしまう人が多いらしい。やっぱり自分が今死ぬってわかるとそうなるんだろうね。老人とかでも60歳、70歳と、歳をとるごとに死にたくなくなるというのも耳にする。

あとは終末期の在宅医療ってことで、最期の時間をどう過ごすか?がテーマなんだけど、もちろん、人それぞれでどうすればいいとかはないんだけど、人に恵まれ、在宅看護を選んだ人の人生は少しわかった。まあ本なので、いいところ取りなのは仕方ないだろうが。

一番いい死に方は癌だっていうのが、この本を読んで更に納得した。本人にも家族にも、最期の時間は残され、本人の意思で選択していけるのは素晴らしいことなんだなって。家族に少しでも長生きを望まれ、闘病生活を選ぶのも、緩和療養で最後の時間を大切にするのも。自分の親も癌で同じような状況だけど、死を直面したときでも、親子って意外と難しいと思った。本書でもやっぱり親子というよりかは、配偶者の立ち位置が大きなウェイトを占めていた。

別に特別なことをする必要はないし、思うように生きるだけだよね。

 - 読書

スポンサーリンク

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

  関連記事

感想:成瀬は天下を取りにいく

著者:宮島未奈 ★★☆☆☆ 2024年本屋大賞作品。単行本なので知らない著者の1 …

20代のルール作りが大切『一流役員が実践してきた 入社1年目から「できる人になる」43の考え方』

  修士2年,来年度の新社会人に向けて読んでみました。 タイトルどおり …

『組織戦略の考え方』 組織は時代とともに変わる

 Kindle版が2014年出版になっていたので,最新の本かと思いきや,読み終わ …

感想:博士の愛した数式(小説)

著者:小川 洋子 ★★★☆☆ 映画化とかでけっこうな人気だったので,気になってい …

感想:ホテルローヤル

著者:桜木 紫乃 ★★☆☆☆ 夏に本屋で直木賞受賞&売上No1とかの宣伝文句があ …

感想:ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える

著者:高橋 迪雄 ★★★★☆ ポップなタイトルや表紙絵に反して、中身はすごく濃く …

感想:稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則

著者:木下 斉 ★★★☆☆ 当たり前のことを当たり前にやる、そんな印象だった。地 …

感想:年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学

著者: エンリコ モレッティ 、訳:池村 千秋 ★★★★☆ 長かった…。Kind …

感想:脳に悪い7つの習慣

著者:林 成之 ★★☆☆☆ ブックオフ100円。医者の著者による、脳科学に基づい …

感想:マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識

著者:ローレン・B・ベルカー,ジム・マコーミック,ゲイリー・S・トプチック ★★ …