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感想:マネーロンダリング(経済小説)

   

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)著者:橘 玲

★★★★☆

経済小説+推理小説。という一風変わった感じ。なにわ金融道みたい?橘さんの本は3冊目ぐらいだけど、実にどれも面白い。新書系で、経済や投資について分かりやすく解説されているイメージから入ったため、小説的な内容の面白さや文章力にはあまり期待していなかったのだが、読んでみると、経済の話はもちろんのこと、推理小説としても普通に面白かったのが衝撃だった。

香港が舞台で、香港のオフショア(税制優遇)を利用して、日本のお金を海外に流してマネーロンダリングする話。大金が国をまたぐときにどうやって税金がかかるのか、どうやったら脱税できるのかが書かれている。そんな知識をこの本から得ようとおもって読む人はいないだろうし、2003年に書かれた本なので、おそらく本の中で書かれている方法は今や何一つ通用しないのではないだろうか。そんな金融ネタに興味があるとさらにおすすめですね。

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経済や金融に関する話がけっこうマニアックなので、本の評価は、小説としての面白さ基準でつけてます。なんで50億もの大金をマネーロンダリングする必要が出てきたのか?そのお金の行方を追っていくストーリーは普通に面白い。お金を中心としたら人間ドラマの描写もそれなりでよかった。ただ、マネーロンダリングするようなお金となれば、ヤクザが出てくるのが定番だが、少し現実味が薄かったかもしれない。そもそも本物のヤクザがどんなものかも知らないし、若頭の黒木のキャラは好きだったので問題ないって感じだが。

ただ後味はあまりよくない。”貧乏は不幸になるが、お金は幸せにはしない”を体現しているような内容。ラストを思い返してもあまりにも救いもなく悲しい。ネタバレなしでした。

 - 読書

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