このまま成長し続けられるのか『資本主義の終焉と歴史の危機』
なんの知識も見解もありませんが,経済というものが好きなので,タイトルに惹かれて購入しました。
経済学などを全く学んだことのない僕にとって,理解できなかったり,難しく感じるところは多少ありましたが,基本的に平易な文章で読みやすく,著者の主張である”資本主義の終焉”はわかりやすかったと思います。”歴史の危機”はよくわかりませんが。16世紀の資本主義社会への移行と似ている点で”歴史”という言葉に関係性はありますが,”危機”っていうのがどうにも。
”資本主義の終焉”については,資本主義は,成長し続けること(”周辺”から”中心”に資本を集めること)でしか成り立たなく,ITや金融によってグローバル化された現代社会では,成長のための”周辺”が残されていない。その成長のためのしわ寄せが中間所得層や非正規雇用者に向けられており,ついには資本主義の崩壊へとつながるであろうという感じでした。
資本主義というものをなんとなくでしか捉えていなかった僕としては,新しい視点を持てた点で良書だと思いました。
資本主義とは
資本主義(しほんしゅぎ、英: capitalism)とは、経済の仕組みの一種で、資本の運動が社会のあらゆる基本原理となり、利潤や余剰価値を生む体制である。「資本制」とも言う。
社会に貨幣を投下し、投下された貨幣が社会を運動してより大きな貨幣となって回収される場合、この貨幣が「資本」とよばれる
wikipediaより
資本主義1つをとっても,色々な考え方やとらえ方があるのだと実感しました。著者は,資本自体が利潤を持っていること(金利)を資本主義と定義していました。
資本主義の限界とは,資本の実物投資の利潤率が低下し,資本の拡大再生産ができなくなってしまうことです。
福島の原発事故を挙げ,人類には制御できない技術とし,技術革新で成長するというのは21世紀の時代では幻想に過ぎない。
と述べていますが,研究者技術者となる自分を全否定されたような感じですね。 技術革新によるエネルギー問題の解決は資本主義の永続化を可能にする手段の1つだと僕は考えまし,技術者としてそうあって欲しいと思います。
結局,資本主義の終焉に対して雇用者はどうすればいいのか
本書では,さんざん資本主義の終焉に至るまでのプロセスを解説してくれますが,資本主義にとって変わるものは提案しておらず,脱成長して時間を稼げとしか提案していないのが残念なところでした。
全然国同士がまとまっていない現状で,脱成長を掲げたところで,個人単位,企業単位,国単位で,資本主義社会に食われる未来しか見えません。実際にどうやって脱成長しろまでは書かれていませんでした…
このままでは,その遷移の時には,リーマンショックの比にならない被害を伴うらしいですが,私たち(雇用者)には何ができるのか。結局バブルの生成と崩壊を繰り返すらしく,そのたび資本家に資本が集まり,崩壊後のツケは税金によって埋められるらしいです。
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