感想:レインツリーの国
★★★★☆
有川さんって女性だったんですね。あとがきで,私の夫って書いてあって初めて知りました。あと,あとがきがある作品ってライトノベルって感じがしますよね。なんで,一般小説ってあとがきじゃなくて解説なんでしょうかね。
さて,聴覚障がい者と健常者の恋愛を描いた作品なわけですが,あとがきでもあるように障がい者に対する話を書きたいわけじゃなく,恋愛のほうがメインっていうのが読んでてよく分かったような気がします。
たまに読む恋愛小説はいいですよね。何がいいって,純粋で心温まり,何より,それが全て非日常であるということに尽きると思います。
プライドが邪魔して意固地な感じが共感できた
読んでこの本が良かったと思ったのは,主人公やヒロインの感情に共感できたのが大きいと思います。聴覚障害や若いころに父親を亡くした辛さなんてもちろんわからないし,共感なんてできませんが,そういった辛さや悲しみ,それに伴う周りの環境の変化などで,自閉気味な性格が出来てしまって,うまく自分を出せなく,意固地な感じになってしまうのはよく分かるような気がしました。(うまく文章に欠けませんけど。)
長文メールと文字にするコテコテ関西弁は気持ち悪い
作品とは直接関係ないですが,長文メールって読むと気持ち悪いですね。それもとても。(ブログを見てメールするところから物語は始まるので,必然的にメールも多くなり,長文メールも多くなるわけですが…。)
何がこんなに気持ち悪くさせてしまっているのかって考えると,一方的に,自分の好きなことを書く形にしかならないからなんでしょうね。ブログとかでその他大勢に語りかけてるならまだしも,メールなら相手1人に対して,自分の考えを押し付けているような形になるのでそのへんが気持ち悪く感じるのかな。
あと,文字にする関西弁も気持ち悪い。
関西人ですが,正直この作中の主人公の男性みたいな関西弁は少ないし,同じ関西人としても生理的に嫌悪感を抱くレベルでした。
こんな風に,読んでて,気持ち悪いと感じる場面が多いのは事実なんですが,それを含めても,最後のほうは綺麗にまとめてるなという感想になりました。
その辺がこの著者のすごいところなんでしょうかね。東野圭吾しかり有川浩しかり,本当にすごい才能の持ち主だと思いますね。メディアには引っ張りだこでしょうね。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
関連記事
-
『東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと』はわからなかったが,得るものはあった
著者である伊藤元重さんはWBSにコメンテーターとして招かれていたため知っていまし …
-
感想:家族という病
著者:下重暁子 ★☆☆☆☆ 本屋で売上上位のところにあって、タイトルに惹かれたた …
-
『「自己啓発」は私を啓発しない』 小説的な読み物として面白かった
某ブログで自己啓発の本読むならこれだけ読んどけばいいよ,と紹介されていたので読ん …
-
幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?
著者:ニック・ ポータヴィー 訳:阿部 直子 ★★★★★ 気づいたらまた外国人の …
-
感想:医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト
著者: ★★★☆☆ 内容とは少しずれるが、まずはじめに、著者の現在行っている統合 …
-
感想:殺意の水音
著者:大石圭 ★★★☆☆ 久々の角川ホラー。本って意外と高いし,本屋で買うなら新 …
-
感想:マネーロンダリング(経済小説)
著者:橘 玲 ★★★★☆ 経済小説+推理小説。という一風変わった感じ。なにわ金融 …
-
感想:臆病者のための株入門
著者:橘 玲 ★★★★★ 株入門というよりかは、投資入門としたほうがしっくりくる …
-
感想:おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
著者:池上 彰 ★★★☆☆ 教養とは「自分を知ること」。もう少し広げると、自分は …
-
感想:シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
著者: デイヴ・アスプリー、翻訳:栗原 百代 ★★★★☆ バターコーヒー発祥の …