感想:アルジャーノンに花束を
2024/10/25
著者:ダニエル キイス
訳:小尾 芙佐
★★★★★
文句なしの名作だった。
60年代、70年代に書かれて、今なお読まれている本でハズレなんてなくないか?
古いと表現が少し読みにくいのは難点だが。死ぬまでには漱石とかも流石に読んでいかないとなと思う。
ストーリーは、知的障害者が手術で天才的な知能を得るが、それが一時的でそのまますぐに衰退してしまうまでの主人公の生涯を描いた感じ。設定には新しさはないけど、主人公チャーリー含めた人物描写は秀逸だった。チャーリーを通しての感じ方が人それぞれになると思った点が★5の理由。
僕の人生での問いに対して、「幸せとは何か?」「自我とは何か?」がある。素直に本を読んだ感想では、知能を得たチャーリーは幸せになれなかったと解釈できる。知能だけ高くなって、空気の読めない奴は、鼻につき周りから煙たがられるのは想像に難くない。では、そのままの何も知らず、小馬鹿にされつつグループに所属し、何も現状を理解できない状態を幸せといっていいのか?またそんな両極端じゃなく、中庸に振舞って、それなりが幸せの状態なのか?多分そんな領域の話ではなく、状態なんて関係なく、”今”しかないんだよなと思う。
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