感想:嫌われる勇気
2015/01/10
2014年amazon和書部門売上1位!すごいですね。けっこうタイトルぐらいは知っている人が多い中、kindleのセールランキングでしか発見できなかった自分のアンテナの弱さに焦りを感じる今日この頃です。本屋に行く回数がどんどん減ってる…
少し値段が高めでしたが、アマゾンレビューを拝見し、購入を決めました。
間違いなく良書です。アドラーの心理学を下に自己啓発を説いているような感じですが、本の内容に共感や実践できるかはともかく、アドラーの心理学は知っておくべき考え方の1つであると感じました。
内容は、自己嫌悪と劣等感を抱えている青年と、哲人との対話形式でアドラー心理学について語られているといった形です。対照的な二人が少々過剰な言い回しでの対話という形ではあるので、賛否両論あるみたいです。個人的にはテンポがよく、読みやすくよかったのですが、友人はこの形式はなんか受け付けないといってました。
さて、読み始めると、とまらない面白さがそこにはありました。
アドラーの心理学では、トラウマを明確的に否定し、原因論ではなく目的論に立って考える。という考えから入り、多くの考え方が本当に新鮮なんですよね。
最初から最後まで内容が濃く、とても全てについての感想を書いてられないので、特に印象に残った点を少しあげておきます。
自ら望んで不幸になるライフスタイルを選択している。
青年は今の暗く卑屈な性格ではなく、明るく社交的な人間になりたいと心の底から思い悩んでると、哲人に相談したところ、哲人から言われた台詞がこんな感じでした。
矛盾を含んでいそうでそんな人間いないだろう、と誰もが思うだろう台詞ではあるが、目的論に立って考えると、この言葉がしっくりとはまる。
僕自身すごくこの言葉があてはまると思うんですよね。不幸かどうかはさておき、ライフスタイルの選択っていう言葉がぴったし。明るく社交的に振る舞いたいと思う人は多いと思います。少なくとも僕はそうでした。しかし、そこには人間関係によって傷つくというリスクが内在しています。そこを天秤にかけ、不幸になるライフスタイルを選択していると。この辺が嫌われる勇気につながっていくのですね。
人間は現状維持を無意識に好むもので、このライフスタイル変え、新しいライフスタイルを選択するには勇気がいるともありました。
自分自身が、対人関係で悩んでいた小学生から中学生にかけて、自分の意志でライフスタイルの選択をして、一旦は心の平静を保てたことがあったので、すごくこの一文には共感したのを覚えています。
課題の分離
1例としては、他者があなたのことを嫌うのは、他者の課題であって、あなた自体はどうすることもできない、さらにいえば踏み込んではいけないことである。
たとえ他者が、親しい友人や、恋人、家族、子供であっても同様であると。
課題を解決することによってメリットを受けるのが誰かを考え、それが自分ではないなら踏み込んではいけないと。
例として、子供に勉強しろっていうのはよくないってありました。子供や家族などといった距離感の近い人だからこそ、課題の分離はよく考えないといけないと思いました。
踏み込んではいけないが、何もしないのではなく、いつでもサポートできる状態であれ。と哲人は言ってましたが、これはかなり難しい…でもなんとなくではあるがそれがベストな状態であるというのはわかる気がします。
「いま、ここ」を真剣に生きる。
最後に、本書では、人生は刹那の連続であると述べてました。
過去でもなく未来でもなく、現在に重きを置いて生きていた自分には、後押しされた感じがしてうれしく思いました。
もうすぐ社会人となり、大きく生活が変わっていくと思いますが、「いま、ここ」を真剣に生きていける人間になりたいものですね。その連続点の結果として、自分の人生というものが見えてくると面白そうです。
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