るむろん

Android/生活/旅行/英語/書評…適当に書いていきます

感想:ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える

   

ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える (講談社+α文庫)著者:高橋 迪雄

★★★★☆

ポップなタイトルや表紙絵に反して、中身はすごく濃く良書であった。”ヒトとは何か”に対して生物学的知見から考察されている。著者が元獣医であったこともあり、哺乳類の中でのヒトの位置づけがメインとなり、食事と生殖が2大柱として書かれいた。どちらをとってもヒトは哺乳類の中で特異的な性質を持っていることがわかった。もちろんもっとも特徴的である言語能力があるとか文明とかを除いてだが。

化学を勉強すると、当たり前に存在しもっとも身近な水が最も特異な物質であると気づかされる。それと似たような感覚。

スポンサーリンク

私たち動物は必須アミノ酸を食事によって摂取しなければならない

私たち動物は生存戦略の中で、生命維持に必須であるアミノ酸の一部を自ら生産する能力を捨て、食事で補うことにしたらしい。ダーウィンの進化論からも導き出せるように、今生きていることが、この選択における現在の最適解なのであろう。

ここで面白いのがその必須アミノ酸の摂取方法である。ウシ・ウマを例に挙げ対比されている。ウシが胃が4つあるのは有名で、胃の中で草からアミノ酸を生成するバクテリアを買っているため、草ばかりを食べていても栄養のバランスが保たれている。しかしウマはヒトのように胃が一つしかなく、ウシのような芸当はできない。そこで取られた選択が、草には少ないながらも必須アミノ酸等が含まれているため、草をバカみたいに食べまくり、必要量を満たすという方法だ。でも食べる量を必須アミノ酸に合わせると、カロリー的に過剰摂取になってしまう、その分を走って消費するらしい。ヒトも同じなので余分に食べると走って消費するしかないのだ…。

昔のヒトは狩猟生活であったため問題はないが、農耕が始まってからは、話がややこしくなる。

糖質制限のダイエット本に出てくる日本人の食生活の歴史の引用と相関を感じなくもない。どうも考察する頭が回らない…。

哺乳類の生殖

普通の哺乳類は発情期(排卵時)にしか性交をしないようになっているらしく、ヒトみたいに排卵期が外見上わからず、年がら年中やっているのはすごく珍しい動物らしい。そうなったのはただの快楽のためではなく、種としての生存戦略にあるそうだ。基本的に道具を使って言葉でコミュニケーションとって大勢で狩りをしないと弱いヒトの特徴的に、そうならなざるをえないロジックがあるのに驚いた。

 

 - 読書

スポンサーリンク

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

  関連記事

感想:人生を面白くする 本物の教養

著者:出口治明 ★★★☆☆ 普通だった。可もなく不可もなく。これを読んでもいまい …

感想:凍りのくじら

著者:辻村 深月 ★★★☆☆ ラノベばっかり読んでる時に、普通の小説も読みたいな …

感想:結婚と家族のこれから~共働き社会の限界~

著者:筒井 淳也 ★★★★☆ いい本はあるもんだ。社会学?的に見た家族というもの …

感想:日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?

著者:Rochelle Kopp ★★★★☆ どうやって見つけて買ったのかよく分 …

感想:世界一流エンジニアの思考法

著者:牛尾 剛 ★★★☆☆ よくあるビジネス書。特徴としては、米Microsof …

感想:会社の目的は利益じゃない ―――誰もやらない「いちばん大切なことを大切にする経営」とは

著者:横田英毅 ★★★★☆ 「あなたにとって一番大切なものはなんですか?」 「そ …

感想:子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て

著者:イザベル・フィリオザ翻訳:土居佳代子 ★★★★☆ 5月まとめ買いでとりあえ …

感想:ストレス脳

著者:アンデシュ・ハンセン ★★★★☆ 前回読んだ「運動脳」は微妙だったけど、今 …

感想:コンビニ人間 – 皆そんなに息苦しく生きているのか

著者:村田沙耶香 ★★★★☆ すごく読みたかったけど、小説を単行本価格で買うのに …

20代のルール作りが大切『一流役員が実践してきた 入社1年目から「できる人になる」43の考え方』

  修士2年,来年度の新社会人に向けて読んでみました。 タイトルどおり …