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『組織戦略の考え方』 組織は時代とともに変わる

   

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 Kindle版が2014年出版になっていたので,最新の本かと思いきや,読み終わった後に,初版2003年の文字がありました…。読んでいる途中,所々納得はできるけど,なんか企業の体制が古いなぁと感じたのはそのためでした。

最後の最後でがっかりしましたが,内容としてはとても良かったと思います。おそらくこの本が出版された当時読んでたら良書であったのは間違いないかと思われます。終身雇用制度が崩壊し,成果主義に全面的に傾いている今では通用しないことが多いのではないかと思われます。特に後半に書かれている組織劣化・腐敗に関しては,リーマンショックや円高を乗り越えてきた背景を考えると起こりにくいような気がしました。

前半は組織構成について,官僚制のベースとしての重要さやボトルネット等が書かれています。そして後半は,今の日本企業(組織)にありそうなケーススタディをふまえて,組織がどのように劣化・腐敗していくかが書かれています。

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官僚制の重要さ

官僚制って霞ヶ関の体制かと思ってたんですけど,トップダウン式の普通の組織構成だったんですね…。無知でした。

どんな組織も官僚制でないと組織とは言えず,トップの意思決定の重要さ,そして組織を構成するのはあくまでもヒトであり,ヒトが利益を稼ぐ。組織はヒトをダメにすることはあるが,組織だけがよくなっても会社の利益があがることは必ずしもイコールではない。的なことが言われていました。確かにその通りだと思いました。

あと,組織構成にあたり,トップ・ミドル・現場と,役割を明確にしていくことが大切。特にトップの意思決定能力。

 

ボトルネック

基本中の基本だが,何事もボトルネックに注目すべきである。

製造現場のA/B/C工程の話から,研究者や教育まで。

優秀な技術者ほど根回しなどの雑事まで大量に集中する傾向が強い。結果的に有能な技術者がコンセプトを考えることに費やせる時間は急速に少なくなってしまっているのが現状である。できる技術者を思い切って雑事から解放してあげる勇気が上司たちに必要である。

①問題の認識→②情報の収集→③情報の分析→④選択肢の生成→⑤選択→⑥組織内正当化プロセス→⑦命令・決定

意思決定を生産する生産工程(管理職)のボトルネックを考えると,日本企業で不足しているのは,⑤選択を行える人ではないか。

 

組織の劣化・腐敗は人間性から起こる

フリーライドって言葉を初めて聞きました。 勝ち馬乗りとほぼ同義で,何もせずメリットを享受することを言うみたいです。例えば,自分の研究室にコーヒーメーカを自腹で持ってきた人がいますが,結果 的にその人だけでなく,研究室の皆が利用しています。持ってきた本人以外は,フリーライドしているって感じです。言われてみるとこういうことは世の中にあ ふれていますし,無意識にフリーライドしていますね。だって楽ですし。

誰かやるだろうっていう考えに陥ると,組織が腐敗していくのは目に見えてますね。そのために,今では成果主義で,収入格差をつけたりしてますね。あとは幹部候補育成とか,厳しい競争社会にすでになっていると思われます。この本が書かれた時代にはまだ今の時代までは競争は激化していなかったのかな?当時,中学生であった私にはわからないですね…。

 - 読書

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