感想:なぜ働いていると本が読めなくなるのか
2024/10/25
著者:三宅 香帆
★★★★☆
Amazonの12冊まとめ買いするとポイントもらえるみたいなキャンペーンがGWにやってて、ラノベ買っただけではあと3冊程度たりなくて、目についたやつを。結局無理して買うほうが損してるんだよねぇ。ポイント商売よくない。
読み始めると前半半分ほどが、明治からの読書とサラリーマンの関係の歴史的な内容で、またタイトル詐欺か・・・みたいな感じになってた。
昔、本はインテリ層しか読むことができず、ある種読書していることがステータスみたいになっている感じなのが時代が変わったも人間は変わらなんのだなと感心した。今でいうところの、絵画などの美術を嗜むことがステータスみたいな感じが近いのかなと。
最初はつまんなかったけど、意外と読み始めるとスラスラ楽しく読めた印象。あとでレビューみると、Amazon売り上げ1位だった。なるほどね。
で、ベストセラーになるとレビューがX(ツイッター)みたいなのが沸いててそれまた面白かった。「本が読めなくなるのは、スマホなどの普及によって娯楽が置き換えられたからだ!」って結論ありきで読んで、自分と意見が違うから低評価みたいな感じ。中身を見ずにクソリプしているあの感じをまさかAmazonレビューでみられるとは。しかも多数。
で、肝心の「なぜ読めなくなるか?」の答えとしては、
自分から遠く離れた文脈に触れること――それが読書なのである。 そして、本が読めない状況とは、新しい文脈をつくる余裕がない、ということだ。自分から離れたところにある文脈を、ノイズだと思ってしまう。そのノイズを頭に入れる余裕がない。自分に関係のあるものばかりを求めてしまう。それは、余裕のなさゆえである。だから私たちは、働いていると、本が読めない。 仕事以外の文脈を、取り入れる余裕がなくなるからだ。
三宅香帆. なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) (p.183). 株式会社 集英社. Kindle 版.
ノイズに関しては記述は同意なんだけど、実際仕事で疲弊していなくて、余裕があっても、ノイズを受け入れれる人は少数派なんじゃないかなというのが僕の意見。皆居心地のいいところでいときたいもん。SNSの即ブロックとか。あまりおすすめとかで似たようなばっか出てくるの好きじゃないから、ランダム設定とかしたいんだけどね。その機能が実装されないのが実態を表していると思う。
今回もタイトルから外れた、読書の歴史ちっくなことのさわりを知れたのは読書した甲斐があった。
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