感想:殺意の水音
★★★☆☆
久々の角川ホラー。本って意外と高いし,本屋で買うなら新刊のほうがいいかなと思い,2か月ほど前に出版されたこちらの殺意の水音を手に取りました。
角川ホラーとあって,ホテルのハウスキーパーのバイトをしている主人公,香取純一が,マスタキーを使って,ホテルの宿泊客を惨殺していくお話。殺しながら,過去の主人公の話などを盛り込み,どうしてこのような結果になったのかが書かれています。
よく話で特段驚くべきことも,ぞっとするようなこともないですが,つまらないわけでもなく,すっと楽しく読めたので星3つで。
ちょっとした不幸が重なり重なり,長年蓄積されていくことによって,限界値を超えて,心が壊れてしまう,といったよくあるストーリーです。でも怖いのが,あとがきでも書かれていましたが,その不幸の許容容量は人それぞれで,誰しもがその限界を超えてしまう可能性あるのではないかということです。
あと,大石圭さんの作品を初めて読んだのですが,Amazonで類似の同著者の作品を見ると,だいたいどんな話か想像が簡単についてしまうのが特徴深いなぁとなんとなく思いました。
自分の妄想を書いているように感じる作品が多いらしいですね。それにしてもけっこうな数の作品を出しているので,本当にこの著者大丈夫なのか…と少し不安にもなったりもしました。
エログロやそういった妄想話は好きなので,他に読む者がなくて,暇ならまた何か読んでみたいですねぇ。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
関連記事
-
-
感想:下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)
著者:藤田孝典 ★★☆☆☆ 下流老人とは、生活保護相当で暮らす高齢者のこと、と著 …
-
-
感想:女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法
著者:美達 大和、山村サヤカ、ヒロキ ★★★☆☆ ずばり、中学生・高校生向けの自 …
-
-
感想:ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える
著者:高橋 迪雄 ★★★★☆ ポップなタイトルや表紙絵に反して、中身はすごく濃く …
-
-
感想:幸せになる勇気
著者:岸見 一郎、古賀 史健 ★★★★☆ 嫌われる勇気の第二作目。まさか続編が出 …
-
-
鬱のことが分かりやすい漫画『ツレがうつになりまして。』
著者:細川貂々 ★★☆☆☆ 何も考えずセールなのでポチってた。読んで初めて漫画だ …
-
-
感想:凍りのくじら
著者:辻村 深月 ★★★☆☆ ラノベばっかり読んでる時に、普通の小説も読みたいな …
-
-
『組織戦略の考え方』 組織は時代とともに変わる
Kindle版が2014年出版になっていたので,最新の本かと思いきや,読み終わ …
-
-
感想:若い読者のための宗教史
著者:リチャード・ホロウェイ ★★★☆☆ 久々の読書。どうしても家で読む気が起き …
-
-
感想:年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学
著者: エンリコ モレッティ 、訳:池村 千秋 ★★★★☆ 長かった…。Kind …
-
-
感想:ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~
著者:J・D・ヴァンス ★★★★★ アメリカ副大統領ヴァンス氏の自伝。久々のあた …