感想:幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日
★★★☆☆
タイトルが長い…。内容はなんか個人ブログをまとめた感じ。755というTwitterみたいなアプリでフォロワー1万人超えらしく,承認欲求が強く本を出したくなったのかなといった印象。
内容は,人は必ず死ぬ。そしてそれは交通事故や癌といった形で,今すぐに起きてもおかしくはなく,なので死を想って,今を幸せに生きようみたいな感じです。
特にどうすれば幸せになれるか具体的に書かれていない印象を受け,死についての考え方もよくある陳腐なものに感じましたが,癌専門の外科医が書かれたことと,日常生活では避けがちな自分が死ぬこと・自分の大切な人が死ぬことを改めて考えさせる機会を与えてくれた点で星3の評価です。
死を想うために適当なデータで煽るのはやめていただきたい
30代の方は,「自殺」がランキング1位であることに驚いたことでしょう。そして「がん」が2位という結果にも注目されたかもしれません。
具体的な人数でいうと,30代の方のうち,100人にひとりはがんで死にます。
30代の方は同世代の友人や知り合いが100人ぐらいいますよね。そのうちひとりは30代のうちにがんで亡くなる,という事実があるのです。
えっ?30代で癌の死亡率1%?!自殺とかいれたらもっと死亡率高いのか?それとも死ぬ人の中で癌で死ぬ人が1%?と2つのパターンが読み取れますが,死亡率2位の癌で全体のうち1%ということは考えにくいので,やっぱり,30代の全人口のうち1%はなんと癌でなくなるらしいです。いやさすがに多すぎでしょってことで調べました。
30代全体の死亡率が0.07%でした。なんか実際の数値をみると無駄に本に不安を煽られた不快感が出てきますね。まあゼロ%ではないので,本書で書かれていることは間違ってはないんですけどね。
死ぬ直前は会話ができない
よくドラマとかである息を引き取る前に,かすれ声で話すシーンがありますが,”癌が原因で”死ぬときは,死ぬ直前は,意識が悪くなって朦朧として会話ができないらしいです。
そういえばちょっと前におばあちゃんが死ぬ間際もそういった状態だったなと思い出しました。癌ではなく,単純に老衰で体力がなくなっていてそういった状態になっていましたが。
目が合っているような,あっていないような感じです。声は出せません。「痛いですか?」と聞くと,なんとなくうっすらとうなずく。「昨日より痛いですか?」と聞くと,もう返事はわからない。
まさにこの状態。実際に身内がこうなると辛いなと思いました。
人は生きてきたように死んでいく
病院で過ごす最期の時間は,今までの人生を表すといった内容です。生前色々な人に愛情を注いだり,お世話していると,その分だけ色々な人が悲しみ,多くの人に看取られながら逝ける。逆なら病院のベットで孤独死する。
20代の私はまだまだイメージできませんが,多くの人に看取られながら逝けるように人生を歩むのもまた一つの道だと思いました。
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