感想:持たない幸福論 働きたくない・家族を作らない・お金に縛られない
★★★★☆
京大卒のニートで有名な著者。熊野寮出身らしいですね。
全体的に人生での幸せについて頭の中で整理できたのでよかったのですが,タイトルは若干よろしくないと思いました。
持たない幸福論ということで,何を持たないのかっていうと,仕事・家族・お金の3つ挙げられています。この本を読んでわかったのは,確かに,その3つを持っていなくても著者のように幸せに自由に生きることができるということ。
しかし,その裏には,圧倒的な人とのつながりやコミュニティがあるということ。結局何も持っていないと幸福にはなれないし,裏返せば,幸福には,仕事・家族・お金・コミュニティのうち1つは最低限の必要条件なのかなと感じました。
適当に抜粋など。
本というのは「自分がぼんやりと気づきかけていることをはっきりと言葉にして教えてくれるもの」だ。本を読んで知識を得ることで,頭の中が整理されたり,考え方の選択肢を増やすことが出来たり,自分の周りの世界で当たり前とされていることを相対化してみることができたりする。
多様な価値観。昔は家族を作って会社で働いてが当たり前。
何かやらないと時間がもったいない,ぼーっとしていると人生がもったいない。という考えが出るのは体力がないから?
人はやることが完全に決められているとそこから逃げたくなるけど,全くやることが決められていないとそれはそれで途方に暮れてしまう。本当に難儀な生き物だと思う。
人間は新鮮や刺激を求める。若さと年寄り。年を取ると刺激や新鮮さを求めるのに億劫になる。体力がなくなるせいか刺激や変化の少ない日常でも物足りなさを感じなくなるのなら,そっちのほうが楽かもしれない。人生で満足感を覚えるハードルが下がるという考え。
人間は,自分のやっていることを他人に認めてもらえると虚しさから遠ざかりやすい。仕事はむなしさから逃れる手段として一番よく選ばれる効率的な手段。承認欲求。でも仕事ばかりをしていると,「あれ,仕事ばっかりで自分が何をしたかったがよく分からない…」とむなしくなる。
人生の時間軸を横に倒す。40年働いて20年休む→4年働いて2年休むとか,週に3日半働いて3日半休むとか。
大切なのは,周りに流されずに「自分にとって本当に必要なのは何か」「自分は何によって一番幸せになるか」という自分なりの価値基準をはっきり持つことだ。それとまあ自分1人だけで周りっと違う価値観を持って生きるのも孤独できついので,自分とある程度価値観の近い仲間や友人を持つことも必要だ。
著者は,お金よりのんびりできる時間のが大切で,仕事を辞めてお金をできるだけかけずに暮らしている。幸せな家族ならそれに向けて頑張ればいい
人間が人生の中でやることって結局,だいたい7割くらいは「居場所を作るため」の行動じゃないかと思う。
結局,自分にとっての幸せはどうやって見つければいいのか
本当に人間はめんどくさい生き物だと思う。大した思考なんてなく,生きるために食べ物を探し,性欲のままに生きている動物のほうがよっぽど幸せに見える。
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