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成功の秘訣は自律・自制できる性格づくり 『成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか』

   

成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか著者:ポール・タフ

★★★☆☆

子供をどのように育てたら、子供は成功するのか?幸せになれるのか?親として教育は何をすればいいのか、といったことに答えを教えてくれる本。と言いたいが、内容は完成されたものではなく、今現在も検証中であるといったところである。

少なくとも、認知スキル(いわゆるお勉強)が高いことは人生における成功(仕事ができるとか・結婚して幸せな家庭を築くとか)には重要ではなく、非認知スキル(性格)のほうが大切だと言っている。簡単に言えば、持続した努力ができる人が成功の鍵だと僕は解釈した。

その実験プロラグムの内容等が本では書かれているのだが、あまりまとまっている感じもなく、読むほうはしんどかった。内容自体は興味深いだけに残念。それぞれの実験結果の概要をまとめてくれるだけのほうがよかった。

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以下、付箋を付けたところを整理してみた。

幼稚園ぐらいの歳の時に、英才教育をしても、その後数年間は知識蓄積による賢さは手に入るが、それは持続しない。大学や、その後の人生にまでつながる教育は、手元の作業に気持ちを集中すること・気を散らす罠をさけること・感情をコントロールすること・考えを整理すること等のスキルを身に着けさせる教育をすることが常用である。

非認知スキル(経済学者)=人格の特徴(心理学者)=性格(一般的な)。具体的には、粘り強さや自制心、好奇心、誠実さ、ものごとをやり抜く力、自信などを伸ばすために手を貸せるかどうか。

アメリカでは、成績が良くて飛び級するような子と、普通の過程で教育を受けた子の卒業後の人生を見ると、さして変わらないどころか、成績が良い子のほうが、虚血性心疾患の病気にかかりやすかったり、離婚率や失業率が高いといった、マイナスな傾向にあった。

幼少期に虐待などでストレスを受けると、前頭前皮質がダメージを受け、集中することやじっと座っていること、失望から立ち直ること、指示に従うことなどに困難を覚えるにようになるらしい。貧困もストレスの一種で、貧困そのものが子供が勉強できなくさせているのではなく、貧困に伴うストレスが原因であること。

マウスの実験では、子供をよく育てる母マウスと、そうではない母マウスの、子供マウスをスワップしたら、子供をよく育てる母マウスのもとにいた子マウスがうまく育った。遺伝よりも環境のほうが非認知スキルを伸ばす上では重要であることの証明である。

生後1か月ほどのあいだ、泣いたときに親からすぐにしっかりとした反応を受けた乳児は、一歳になるころには、泣いても無視された子供よりも自立心が強く積極的になった。とこの本には書かれているが、ネットでは、泣くあかちゃんにかまうと、泣く=かまってくれるという思考回路が赤ちゃんにできるので、泣きやまなくなるように育つといった面もあるそうだ。

犬に餌を与えるときに、”待て”で何秒待てるか、といったことが犬のしつけの基準であったり、テレビで見たことがあるが、小さい子供にも同様のことをして、その後の成績を比較した研究があった。結果は、おやつを長時間待てるほど、のちの成績が伸びるといった正の相関があったらしい。

若者の気質を育てる最良の方法は、深刻に、ほんとうに失敗する可能性のある物事をやらせてみること。ビジネスの分野であれ、スポーツや芸術の分野であれ、リスクの高い場所で努力をすれば、リスクの低い場所にいるよりも大きな挫折を経験する可能性が高くなる。しかし独創的な本物の成功を達成する可能性も高くなる。やり抜く力や自制心は、失敗を通して手に入れるしかない。

まとめ

子供を成功させるためには、こうすればいい。という明確な答えはもちろんはない。しかし、非認知スキル(自制心などの性格)を小さい時に伸ばすような教育をできるかどうかが鍵であることは間違いない。

貧困や虐待などの過度なストレスを与えないことと、1歳ごろの愛着(アタッチメント)が重要である。

 - 読書

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