感想:おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
★★★☆☆
教養とは「自分を知ること」。もう少し広げると、自分はどこから来て、どこに行くのか?というサブタイトルにつながる。
面白いのは、「自分を知ること」という漠然な問いに対して深く考えていくと、色々な知識・学問が必要で生まれてきていたことに気づかされること。
僕のただの思い出だが、小6の時に当時の塾の講師が、徐に授業と全く関係のない「人間とは何か」というテーマでレポートを書けという無茶ぶりをしてきたことを思い出した。小学生だからと言ってしまっては仕方ないが、色々な切り口・考え方があり、物事を考える上での視点の多角化・深さというものを教えられたいい経験だった。
それと同じことがこの本のテーマについても言えると思われる。
序 章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?――現代の教養七科目
第一章 宗教――唯一絶対の神はどこから生まれたのか?
第二章 宇宙――ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源
第三章 人類の旅路――私たちは突然変異から生まれた
第四章 人間と病気――世界を震撼させたウイルスの正体
第五章 経済学――歴史を変えた四つの理論とは?
第六章 歴史――過去はたえず書き換えられる
第七章 日本と日本人――いつ、どのようにして生まれたのか?
7つに分けて考えているが、宗教から始まり、科学や医学、歴史へとつながっていく。似た本に最近読んだ同じく池上氏の「世界を変えた10冊の本」があるが、そちらより本書のほうがおすすめかな。内容は3割程度かぶっていて、どういった視点で考えるかの違いのみ。タイトルに惹かれるほう1冊でもいいかも。
最後に、リベラルアーツって言葉はよくわからないので好きではない。横文字否定派ではないが、あまり好きではない言葉。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
関連記事
-
『重力とは何か』ニュートン,アインシュンタイン,量子力学と物理学の歴史をわかりやすく紹介している良書でもあった
インターステラーという映画内で,重力の謎が解ければ,宇宙の真理を理解でき,地球か …
-
幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?
著者:ニック・ ポータヴィー 訳:阿部 直子 ★★★★★ 気づいたらまた外国人の …
-
感想:ユニクロ帝国の光と影
著者:横田 増生 ★★★☆☆ 山口の田舎の呉服やから世界のユニクロまで成長させた …
-
感想:生命保険のカラクリ
著者:岩瀬 大輔 ★★★☆☆ 一般人が一般人向けにかいた保険の本らしいです。とい …
-
感想:雀蜂 (角川ホラー文庫)
著者:貴志 祐介 ★★☆☆☆ 今んところは一番好きな著者の一人である貴志祐介の作 …
-
感想:卵子老化の真実
著者:河合 蘭 ★★★★☆ 普段あまり知ることのできないことを知れる。高齢出産が …
-
『人見知りが治るノート』 認知行動療法で人見知りを克服?!結局は場数をこなして慣れるしかない
認知行動療法(CBT)を使って,誰もが持っている人見知りの傾向(人前でスピーチす …
-
感想:持たない幸福論 働きたくない・家族を作らない・お金に縛られない
著者:pha ★★★★☆ 京大卒のニートで有名な著者。熊野寮出身らしいですね。 …
-
感想:殺意の水音
著者:大石圭 ★★★☆☆ 久々の角川ホラー。本って意外と高いし,本屋で買うなら新 …
-
『夢をかなえるゾウ』は自己啓発小説の完成形だと思う
著者:水野敬也 ★★★★☆ 2007年か2008年かに大流行していたらしい自己啓 …
- PREV
- 感想:医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト
- NEXT
- 感想:卵子老化の真実