『夢をかなえるゾウ』は自己啓発小説の完成形だと思う
★★★★☆
2007年か2008年かに大流行していたらしい自己啓発本です。当時高校生の僕の頭には残らなかったようです。あの頃はネトゲばかりで外界の情報に触れる機会が少なかったのもあると思います…。
さすがに200万部も売れただけあって,星5をつけてもいいぐらいに良書だと思いました。本書にも書かれていますが,書かれている自己啓発の内容自体は他の本にも書いてある内容ばかりなので。それなのにこんなに売れたのは,構成のうまさだと思います。ガネーシャとの対話形式で,ストーリー仕立てなので,一種の小説に近い感じで軽い気持ちで読めるのがいいですね。小説ならではの,物語の強弱を,自己啓発において伝えたいことに合わせているのがすごくこの業界では新しく感じました。対話形式って売れる要素の1つなのでしょうかね。ちょっと前のベストセラーの嫌われる勇気も対話形式でしたし。
ちなみに私は自己啓発書を読むのは趣味で,成功したいなんて微塵も思っていません…。
行動あるのみ
自己啓発書を読んでいるだけで行動できず,でも成功したい!って思っている人は読んでみるのはいいんでないでしょうか。本で行動する具体的な課題が与えられるので,本に即して実践していけばいいと思います。成功するための根拠や説得力がないと批判する人が多いですが,完全に本の趣旨からはずれているので,とりあえずは何も考えずに本に書かれている課題を実行しましょう。
(個人的には,行動できる人はできるしできない人はできないと思っているので,そもそもこの本を成功したい!行動できるようになりたい!とか思って読んでいる時点で成功者にはなれないとは思いますけどね。自分で言ったことを完全否定していてすいません。)
お金は幸せにする人の数に応じて得られる
自己啓発本業界を見ていて,一番きになるフレーズは上のやつです。もれなく,この本でも同じようなことが書かれていました。プロ野球選手や芸能人の報酬が高いのはそういうことなのかって変に納得したことを覚えています。サラリーマンをやっていると多分考える必要もないと思いますが,将来的には脱サラを考えてはいるので,本当にそうなのかということを人生をかけて確かめてみたいと思っています。
自己啓発本は何か1冊ぐらいは読んでみてもいいと思う
そんな時に薦められる1冊だと思いました。実際に,成功したいや,有名になりたい・お金持ちになりたい,といった気持ちがなくても,読むことで本当に自分が望んでいることは何かや,どう行動していこうなど,一息ついて考えるきっかけを与えてくれると思います。どんな選択をしてもいいとは思いますが,そのための情報と自己判断能力はどういった結論になっても必要でしょうね。
余談
批判したり・人を見下したがるのは,人としての性なのか,自分の性格なのかわかりませんが。星1のレビューを読んでいると,本書で例として挙げられている言動をそのままレビューに書かれていた時は本当に本を読んだのかと思いました。あの人たちはネタで書いているのか…?。
実際に成功した人でないのに,偉人の名言ばかりを借りて,あたかもこうすれば成功できるというのはいかがなものか
っていう批判には同感できるなと思いました。やっぱり人として,何か根拠にすがりたいものなんでしょうね。
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